しまねレッドデータブック2026
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昆虫類101101検討の過程で議論になった種 今回の改定では掲載されなかったが、個体数減少の傾向が危惧今後の課題 今後の昆虫類のレッドデータブックの改訂について、筆者はあまり明るい未来を描くことができない。検討執筆体制の充実をはかることができたとしても、それを上回る絶滅危惧種の増加が予想され、未検討のまま取り残される種が出ることや、十分な検討通り困難を伴う。多様な媒体において記録された記録を吸い上げて網羅的なリストを行うには、作成の時点においてデジタル化を同時に行うことが必須である。情報技術の発達により、記録のデジタル化をしておけば、完全なものは難しいかもしれないが、実用的なデータベースの構築は十分可能になるだろう。 デジタル化は、テキスト化だけでなく、形態情報などの蓄積も重要である。すなわち、画像データ(3次元データも含めて)としての保存も必要である。災害などによって実物が失われた場合、貴重な証拠資料となる。この作業はデジタル機器の発達により、公共施設だけでなく、個人でも可能となっている。例えば、iNaturalistのような非営利の世界的なデータベースがあり、個人でもデータを画像付きで投稿できる。このデータは地球規模生物多様性情報機構GBIFと連携しており、市民科学や生物多様性の解明に役立っている。・実物の重要性 デジタル化が進んでも実物の価値は揺るぎない。分類学的な研究の進展により、よく知られた種であっても複数種が混じっている事例が起こりえる。この際には実物である標本を再検討する必要がある。また、古い標本であっても遺伝子を抽出して分析することも技術的に可能になっている。大量の昆虫標本を体系的に保存できる施設は収蔵庫のある博物館などに限られ、同時にコレクションの管理者も必要である。収蔵施設の容量不足は永遠の課題かもしれないが、貴重な標本をどうやって次の世代に残すかは、現役世代の責任でもある。・分布拡大する種の扱い 外来種も含め、県内で分布を拡大する種が増えつつある。アオマツムシは、侵入年は古いが、現在は山林にまで生息地を拡大している。騒音と言えるほどの音で鳴くが、在来種に音響コミュニケーションに影響を与えているのかどうか不明な点が多い。キマダラカメムシは近年、県内で広く見られるようになった種である。 レッドデータブックの掲載種では、コガタノゲンゴロウがあげられる。島根県では1990年代にも県内に残存していたが、非常に限られた場所に生息していた。2010年代には徐々に成虫の確認例が増えるようになり、2020年代には確認される個体数も一度に10ー30頭がみつかることもあり、さらに幼虫も野外で確認されるようになった。本種は幼虫の成育に高温が有利に働くため、気候の温暖化が影響していると考えられている。このまま増加して、絶滅危惧種ではなくなるのかどうか、注視する必要がある。近年の気候温暖化は凄まじく、今回のレッドデータブックの掲載種ではないが、イシガケチョウ、タイワンウチワヤンマ、ベニトンボなど南方種の分布拡大傾向が続いている。・気候変動の影響 温暖化に伴う分布拡大種については上記で述べたが、大きく懸念されるのは、冷涼な気候に適応している種である。最終氷期に西日本に生息していた北方系種は、その後の気候の温暖化で絶滅するか、分布域を狭めて生き残ったと推定される。中国山地の比較的冷涼な地域に生息する種についても、今後の気温上昇によって絶滅する種が出てくる可能性がある。気温だけでなく、積雪量の減少や渇水期の長期化によって、林床や湿地の乾燥化、河川水温の低下や水量低下が及ぼす影響も重大である。具体的には、湿地性のスゲハムシやクロガネネクイハムシ、カラフトゴマフトビケラなどの種が挙げられる。・保全 昆虫の減少に対して、もはや猶予はなく、積極的な保全を行う 2014年版で情報不足とされた種の内、33種が今回の評価でランク外とされた:ムネアカアワフキ、チッチゼミ、キスジハネビロウンカ、キボシマルウンカ、スケバハゴロモ、ヒメベッコウハゴロモ、オオアシナガサシガメ、マダラカモドキサシガメ、ヒゲナガサシガメ、オオメダカナガカメムシ、ウシカメムシ、ヤマトタマムシ、アオマダラタマムシ、ガロアムネスジダンダラコメツキ、オオベニホソヒラタコメツキ、ムネアカツヤケシコメツキ、シラホシダエンマルトゲムシ、クロオオハナノミ、ヤノトラカミキリ、キュウシュウチビトラカミキリ、アヤモンチビカミキリ、ハンノキカミキリ、ヒメマルミツギリゾウムシ、ミツギリゾウムシ、クロホシタマクモゾウムシ、ギンツバメ、トガリバナミシャク、フタキスジエダシャク、ナカスジシャチホコ、ナチキシタドクガ、ニセオオコブガ、スギタニゴマケンモン、ゴマシオケンモン。される種や生息記録があるものの標本などの確実な記録の無い種、移入種の可能性がある種などが含まれている。今後、減少傾向が明確になった場合や,確実な生息記録が確認された場合には,掲載される可能性があるため,注目する必要がある。 議論になった種:ヒラタクワガタ、ホソヒョウタンゴミムシ、アオヘリアオゴミムシ、スナハラゴミムシ、ヤマトオサムシダマシ。ができないままランクが決定されていくという質の問題も出てくるだろう。また、レッドデータブック掲載種を根拠に採集を規制するような条例も各地で増えつつある。これでは愛好家の協力を得ることも難しい。そのような状況ではあるが、少しでも改善できることがないか、いくつか挙げておきたい。・モニタリング体制 昆虫の場合、記録の多くは愛好家による採集と公表が基本である。しかしながら、採集と標本作製を基本とする愛好家の減少は避けられず、また、採集出来ない地域や種の増加は、記録される機会の減少にもつながる。また、販売目的などの大量採集などの問題により、詳細な記録の公表をためらう機会も増えてきた。 愛好家の採集以外にも昆虫の記録は蓄積されている。公的なモニタリング調査や環境影響評価の調査によるデータである。法アセスのほか自主アセスも行われており、公表されていないものも含めて膨大な知見が蓄積されている。この記録は、縦覧期間のみの公開となることが多いが、例えば、島根県の自然保護部署にデータが集約されれば、改訂時に閲覧して検討材料とできるはずである。もちろんデジタル化による省力化も必須である。・今後の改訂の間隔 次回の改訂を10年後と想定した場合、次回の改訂は今回よりも困難が増すと思われる。全面的に難しいというよりは、担当者がいない分類群が出てくることが考えられる。このことを避けるには、リストのみの更新を5年後に改定することを提案したい。次につながる上でもブランクを埋めることができるはずである。 ・デジタル化の必要性 島根県で記録された昆虫の種数の把握は重要であるが、前述の

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