しまねレッドデータブック2026
124/740

昆虫類絶滅 野生絶滅絶滅危惧Ⅰ類絶滅危惧Ⅱ類準絶滅危惧情報不足11411420042013/2014絶滅危惧Ⅰ類(CR+EN)絶滅危惧Ⅰ類(CR+EN)20042013/2014絶滅危惧Ⅰ類(CR+EN)絶滅危惧Ⅰ類(CR+EN)20262026島根県固有評価島根県固有種、基準標本産地ラ属はチビゴミムシ類の系統進化を解き明かす重要な鍵となるだろう。 本種が確認されているのは松江市(大根島) の竜渓洞のみ。個体数はきわめて少なく、これまでに計10個体が採集され(1970年2個体、1979年2個 体、1997年1個 体、2002年2個 体、2005年2個 体、2008年1個体)、以降の採集記録はない。幼虫は未知。 島根半島を中心とした地下生物調査では確認されていないことから、分布域は竜渓洞を含む大根島の地下空間のみと考えられる。具体的な範囲は明らかではないが、同島のほかの洞窟(幽鬼洞)で見られないことから島内全域に分布しているわけではない。洞内では湿潤な泥上に転石があるような環境で見つかることが多く、特定の微環境を選好している可能性が高い。 周囲を中海に囲まれている大根島の地形特性から地下水の流路や水質変化は脅威となり得る。また本種の生息に地下の微生物相が関与している可能性があることから、地表からの肥料などの薬剤浸透による微生物相の変化にも注意を要する。島根県固有評価基準標本産地 周布川河口左岸の岩場で、こぶし大の小石が堆積した下の海水中から採集された。その後は長らく未発見であったが、2006年に島根半島の海岸2カ所で再発見された。背後地の崖から淡水が浸み出すような岩礁地の礫の隙間や波打ち際の礫間で採集されている。 大規模工事による礫浜の改変、漂着物の堆積など生息環境の悪化。降水量の低下による、汀線に供給される湧水の途絶。コウチュウ目オサムシ科Daiconotrechus iwatai (Uéno, 1970)カテゴリー区分撮影者(提供者):新部一太郎コウチュウ目オサムシ科Thalassoduvalius mashidai mashidai Ueno, 1956カテゴリー区分撮影者(提供者):公益財団法人ホシザキグリーン財団県内での生息地域・生息環境存続を脅かす原因県内での生息地域・生息環境存続を脅かす原因絶滅危惧Ⅰ類(CR+EN)環境省カテゴリー絶滅危惧Ⅱ類(VU)絶滅危惧Ⅰ類(CR+EN)環境省カテゴリー準絶滅危惧(NT)選定理由概  要選定理由概  要●参考文献Ueno, S. (1970) The Fauna of the Insular Lava Caves in West Japan Ⅲ. Trechinae (Coleoptera). Bull. Nat. Sci. Mus., 13(4): 603-622.Ueno, S. (1971) The Fauna of the Insular Lava Caves in West Japan IX. Trechinae (Additional).Bull. Nat. Sci. Mus, 14(2): 181-185. Ueno, S. (2007) Blind Trechine Beetles (Coleoptera, Trechinae) from the Tsushima Islands, West Japan. Elytra, 35(2): 385-399. 新部一太郎・星川和夫(2007)II章 竜渓洞に生息する生き物たち,松江市ふるさと文庫2: 30-49.●参考文献林 成多(2013)島根県の海岸性甲虫.ホシザキグリーン財団研究報告特別号, (9): 1-98.林 成多(2015)島根県の海岸に生息する昆虫. ホシザキグリーン財団研究報告特別号, (14): 1-120.河上康子・林 成多(2007)日本海沿岸の海岸性甲虫類の研究(2)島根半島.ホシザキグリーン財団研究報告, (10): 37-76.Nakahama, N., R. Okano, Y. Nishimoto, A. Matsuo, N. Ito & Y. Suyama (2022) Possible dispersal of the coastal and subterranean carabid beetle Thalassoduvalius masidai (Coleoptera) by ocean currents. Biological Journal of the Linnean Society, 135 (2): 265-276.Ueno, S.(1956)New halophilous trechids of Japan(Coleoptera,Harpalidae). Mem. Coll. Sci. Univ. Kyoto, ser. B, 23(1):61-68. 松江市(大根島)にある玄武岩質の火山洞窟「竜渓洞」を基準産地とする大根島の固有亜属で、生息域がきわめて限られるため、同島の地中環境が変化した場合には他の地下性種とともに絶滅する危険が大きい。 体長約3mm。黄褐色で扁平。複眼は完全に退化。背面に10対の長剛毛を有し、触角は長い。全体に地下適応の進んだ形態を示す。寿命や食性など生態はほとんど不明だが、局所的に複数頭確認されることから分布は一様でないと考えられる。 ダイコンメクラチビゴミムシ属(以下、チビゴミムシを省略)は、ノコメメクラ属とチョウセンメクラ属の中間形態を示す属で中国の浙江省に産するWulongoblemus属との類縁性も高い。本属には2007年に長崎県の対馬でホソメクラ亜属の2新種が記載され、本種と併せて3種が含まれる。これらはWulongoblemus属も含めて飛び石状の分布になっていることから、かつて海を渡った祖先の遺跡種という仮説が立てられた(Ueno, 2007)。2023年に沖縄で中国の大陸種と近縁なチビゴミムシが発見されたことからもこの仮説は支持され、本種を含むダイコンメク 周布川河口で発見されたチビゴミムシで、島根半島で再発見された。限られた潮間帯の岩礁に生息し、絶滅が危惧される。 体長4.6−4.9mm。浜田市周布川河口で発見され、新属新種として記載された。全体が褐色で頭部が大きく、上翅は丸味が強い。満潮線の近くの大きな石の下や積み重なった礫の底で、真水が海にしみ込むような場所を好むといわれる。愛媛県宇和島、神奈川県真鶴岬、伊豆大島などに別亜種が分布する。遺伝的にも分化が確認されており、本州日本海側の個体群(北陸〜九州北部)は遺伝的にまとまっている一方で、瀬戸内や太平洋側の個体群とは大きく分化している。(執筆者:新部 一太郎・星川 和夫)(執筆者:林 成多)イワタメクラチビゴミムシイソチビゴミムシ絶滅危惧Ⅰ類(CR+EN)絶滅危惧Ⅰ類(CR+EN)

元のページ  ../index.html#124

このブックを見る