しまねレッドデータブック2026
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哺乳類1313日本のように国土が狭く人間による自然の利用率が高い国においては、自然にまったく人為的影響を及ぼさないで厳正保存することは不可能であるし、原生的自然がほとんど無く、部分的または大部分が破壊されてしまっているような自然を保存維持しようとすれば、破壊された部分を人為で補わざるを得ないことも生じてくる。 例えば、ニホンオオカミは我が国の陸上生態系における最高次の消費者としてシカやイノシシなどの大型植食動物を捕食し、結果として彼らの極端な増殖を抑え、生態系全体が急激に大きく変動するのを抑制する役割を果たしてきた。ニホンオオカミが絶滅した今、シカやイノシシの激増を抑制する自然的な要因は、激増した植食動物自身の過食等による植生破壊に伴う食物不足や伝染病の蔓延などである。今や、ニホンオオカミに代わって捕食者の役割を担うことができるのは、人間か、人為的に導入されたニホンオオカミに近縁の別亜種オオカミしかないだろう。とは言え、人間が管理できる自然の範囲と内容には限界があるし、別亜種オオカミの導入に合意を得ることは非常に困難と思われる。 「種の保存」と「生態系の一員としての種の保存」とは本来同じでなければならないが、現実は必ずしもそのように考えられてはいない。ニホンオオカミ・ニホンカモシカ・ホンシュウジカ・イノシシ・ツキノワグマなどの大型哺乳類は、生態系の中で重要な生態的地位を担っている「鍵的種」であり、それらの消滅によって他の種に与える影響は大きい。 全国的には絶滅の恐れがない種でも、既にその種が消滅してしまっている地域はたくさん見られる。そのような地域の生態系に、消滅してしまった種を復活させることなど現実にはまったくと言っていいほど為されていないし、それを行うかどうかの議論もかみ合わないことが多い。絶滅した種に代わる近縁の種を導入することについては、なおさらである。 種は、形態だけで存在するのではない。その生息する環境の中で、環境から及んでくる諸々の刺激に対して主体的に反応し、生活し、進化できて初めて種として存続できるものである。野生動物の保護は、飼育下に置かれたり、個体群の生活場の広がりや種の地理的な広がりよりもずっと狭い範囲に閉じ込められた状態では、完全には行い得ないということである。生息範囲を限りなく狭めつつ、その中での生息適正頭数を云々することは、種の保護にはならない。また、陸上を歩行移動する哺乳類では、特に小型の種の場合、ダムや道路などの建設物によって生息域が分断されてしまい、分断された集団の間での交流ができなくなってしまう恐れも生じる。哺乳類の場合、行動が個体の経験や他個体との交流によって成立する部分が多くあって、自然の環境から引き離されて飼育下に置かれた状態では、例え形態的には完全に見えても種として備わっている性質を「正常」には発揮できないだろうし、やがては野性を喪失してしまうだろう。もしかしたら、人間活動の影響が地球上の隅々にまで及んでいる現在においては、人為的影響を全く受けることのない野生生物などいないのかもしれ1.野生動物の保護 野生生物種の「保護」には、種そのものの保存と、生態系構成要素としての種の保存が考えられるが、種の保存には人為をまったく排除した厳正保存の他に適正な人為管理も含まれる。特に、ない。 野生動物を見て「かわいい」と感じるのは間違いではないが、野生動物には野生動物それぞれの種類ごとの性質や生き方があり、ペットに対する接し方は通用しないことが多い。動物には、種ごとに、また個体ごとに「逃走か、攻撃か」の臨界距離があるため、近づきすぎると攻撃されることがあることを知るべきである。2.島根のレッドデータ哺乳類 現在、本県で確認されている野生哺乳類は、食虫目6種・翼手目10種・霊長目1種・兎目1種・齧歯目13種・食肉目9種・偶蹄目2種の合計42種である。このうちヌートリア(齧歯目)とチョウセンイタチ(食肉目)、アライグマ(食肉目)、ハクビシン(食肉目)の4種は外来種である。ここには、ノネコ・ノイヌなどやアライグマ以外のペットの野生化したものは含められていない。ニホンアシカ(鰭脚目)・ニホンオオカミ・ニホンカワウソ(以上、食肉目)・ニホンカモシカ(偶蹄目)の4種は、現在の島根県で見ることができないので、上記の生息種数に含めていない。一方、樹洞を利用する翼手目は、今後、何種か見つかる可能性がある。また,県央で採取された標本から、本県にヒメヒナコウモリが生息している可能性が生じた。 かつて、本県にもニホンオオカミ・ニホンアシカ・ニホンカワウソ・ニホンカモシカが生息していたが、ニホンオオカミは恐らく江戸時代末に、ニホンカワウソとニホンカモシカは明治時代から昭和時代の間に減少し絶滅した。これらは本県では絶滅種に指定されている。 ニホンアシカはクジラ類とともに海生哺乳類に含められるが、近年になって地球上から絶滅した哺乳類である。脂と肉・皮を得るためと、漁網に掛かった魚を食害し漁網を破る害獣として、主要な繁殖群を中心に幼獣も含めて捕獲(殺)を繰り返し行ったことが「絶滅」の大きな原因になったと思われる。また、近代的な漁法による魚類の大量漁獲が、ニホンアシカの食糧難を引き起こしたのかもしれない。韓国では近年でもアシカらしい鰭脚類の目撃例があるが、これがニホンアシカかどうかの確認はできていない。 いずれにせよ、この数千年間における「絶滅」の大部分が人為的な原因によるものであり、このような絶滅は今後も起こりうるものである。特に、害獣とされるものは、保護が困難な場合が多い。 ツキノワグマは、本県では以前は絶滅危惧I類に指定されていたが、今では隠岐以外の県内全域で目撃されるほど増加している。日本の本土地区(本州・四国・九州)で最大の肉食動物であり、人が襲われる事故が時々あるので「肉食猛獣」のイメージが強いが、実際には植物食中心の雑食動物であり、「人を食べるため」に襲った例はほとんど無いと思われる。しかし最近では、住宅地などでも人的被害が発生するなど、全国各地でツキノワグマによる被害が多発しており。生息個体数が急増しているように見受けられる。人間に危害を及ぼす可能性のある個体は駆除することも必要だろうと考える。 本県の準絶滅危惧種に取り上げられている哺乳類は、「情報不足」に入れてもよいようなものや、今すぐには絶滅の恐れはなく、概説 哺乳類

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