陸・淡水産貝類275275 ニシノシマギセルは隠岐諸島西ノ島の固有種であり島内の焼火山、高崎山、国賀海岸など自然豊かな環境に生息している。近年、西ノ島の北東約1.2km沖合の無人島・星神島の生息も報告されているが、個体数は多くない。島後のみに生息するオキビロウドマイマイも生息数は少なく観察される機会は多くない。近年、島前(西ノ島、海士)から記録された個体は、殻形態及び生殖器の特徴から本土側に生息域をもつ別種の可能性が高い。また、アラハダシロマイマイは西ノ島と島後のごく限られた場所にわずかに生息している。以上の点からⅠ類継続が妥当である。ハンジロギセルは大田市大江高山をタイプ産地とするキセルガイ類であるが、タイプ産地での生息環境の変化で生息数は減少している。本種は安蔵寺山一帯のブナ林にも生息が見られるがきわめて希少である。Ⅱ類からの昇格が妥当である。情報不足とされてきたイワミマイマイは県西部津和野町をタイプ産地として記載された大形のマイマイ類である。山口・広島両県に近い安蔵寺山一帯のごく狭い範囲に生息すると考えられる。近年、複数個体の生体が採集され生殖器等の知見が得られた。本種の生息環境保全には十分留意する必要がある。Ⅰ類への昇格が妥当である。【絶滅危惧Ⅱ類】オキムシオイ・オキゴマガイ・オキノクニキビ・ヒメナミギセル・オキシメクチマイマイ・オキニシキマイマイ(継続)イトウムシオイ・オカムラムシオイ・ヤママメタニシ・クリイロギセルモドキ・カワモトギセル・モリヤギセル・シイボルトコギセル・ダイセンニシキマイマイ(昇格)トサギセル・ホソヒメギセル(新規) オキムシオイ、オキノクニキビはともに隠岐固有種とされてきたが、近年の調査で他地域でも同じ特徴を持つ個体が記録され、両種に同定されている。しかし、いずれの産地でも個体数が極めて少ない。隠岐をタイプ産地として記載された種としてはその生息は貴重である。オキムシオイ、ヒメナミギセル、オキシメクチマイマイ、オキニシキマイマイのタイプ産地としての保全は重要である。ムシオイガイ類のイトウムシオイ、オカムラムシオイの生息は生息環境の変化により徐々に厳しくなっている。ヤママメタニシは島後でも確認されているが、本土側の生息とともに生息は局限している。クリイロキセルモドキの県西部における生息は、分布の西限として極めて重要である。樹上性で個体数はきわめて少ない。シイボルトコギセルは益田市沖合に浮かぶ高島にも生息することが確認され、飛び地的に分布する県西部の空白を埋めることができた。カワモトギセル、モリヤギセルは山地の古木・倒木に生息するが、近年生息数が少なくなっている。中国山地のブナ林に生息する大形のマイマイ類であるダイセンニシキマイマイの生息数も減少している。以上の点から準絶滅からⅡ類への昇格が妥当である。今回新たに小形のキセルガイ類、トサギセルとホソヒメギセルの2種を登録する。両種は県西部のブナ林で古木・倒木に生息し、生息地は局限し、個体数も少ない。その生息は極陸域【絶滅危惧Ⅰ類】ニシノシマギセル・オキビロウドマイマイ・アラハダシロマイマイ(継続)ハンジロギセル(昇格)・イワミマイマイ(新規)陸水域【絶滅危惧Ⅰ類】カワシンジュガイ(継続)・オバエボシガイ・ニセマツカサガイ(新規)めて貴重であり環境保全に配慮を要する。【準絶滅危惧】アズキガイ(継続)オキマイマイ(降格)カサネシタラ・チョウシュウシロマイマイ(新規) 県内のアズキガイの記録は少ない。本種は自然分布とともに、他県では物流に伴う市街地周囲での生息も見られる。本県の生息は山地であり自然分布と考えられる。引き続いて準絶滅が妥当である。オキマイマイは隠岐諸島に生息するサンインマイマイの矮小型とされる。樹上性で、隠岐では比較的見る機会は多い。島嶼における矮小型として他地域でも生息は見ることができる。Ⅱ類から準絶滅への降格であるが生息の意義は大きい。近年の微小貝の調査により殻長5ー6mm以下の種が多く記録されている。その中には生息地が限定し、個体数が極めて少ないものもいる。カサネシタラはブナ林などの林床に生息し、殻表が鋭い階段状になる特異な形をしている。チョウシュウシロマイマイは2015年に新種記載された樹上性巻き貝である。近縁のコウダカシロマイマイと混同された種で、タイプ産地は山口県中部である。本県西部・益田市付近で、県東部に広く分布するコウダカシロマイマイと分布を接している。樹上性であり環境保全に留意を要する。カサネシタラ、チョウシュウシロマイマイの準絶滅への新規登録が妥当である。【情報不足】サイコクビロウドマイマイ(継続)ヤマクルマ・ヒメコギセル・ヤマタカマイマイ(降格) サイコクビロウドマイマイは本県西部の安蔵寺山をタイプ産地として記載された。その後本種とされる個体が県東部の枕木山、広島県、山口県、大分県、福岡県などで採集されているが、いずれの産地でも個体数は少ない。また、タイプ産地では再三の調査にもかかわらず生体が確認されていない。現在、近縁種との比較検討が行われており、今回の改訂時点では情報不足が妥当である。ヤマクルマ、ヒメコギセル、ヤマタカマイマイはこれまでの記録が少なく、近年の調査でも確認されていない。生息の可能性はあるが更なる情報入手が必要である。準絶滅から情報不足への降格が妥当である。 カワシンジュガイは記録のある周布川上流域において採取調査を行ったが、確認することはできなかった。また2024年には環境DNAによる解析を行ったが検出されなかった。他の河川にも生息する可能性があるため、Ⅰ類とした。オバエボシガイ・ニセマツカサガイは2024年に高橋により江の川水系で生息が明らかになったが、県内ではこの1地点のみであり、河川改修、森林伐採、自然災害等による土砂の流入等による生息地の悪化を考慮してI類とした。【絶滅危惧Ⅱ類】ササノハガイ・カラスガイ(継続)ホラアナミジンニナ・キタノタガイ・カタドブガイ(新規)ササノハガイは江の川水系、カラスガイは斐伊川水系と限られた地域に生息するためⅡ類とした。概説 陸・淡水産貝類
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