しまねレッドデータブック2026
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海藻類627627海藻類(藻類)掲載種一覧絶滅危惧Ⅱ類(VU)○クロシオメ 海藻とは「海中に生育する藻類の仲間」で、主として緑藻類、褐藻類、紅藻類の三大グループからなる。形態的には植物に見られるような根、茎、葉の区別がないものが多く、根のように見える付着器は岩や砂礫に固着する働きが主である。栄養は葉状の体全体で光合成によって吸収する。肉眼的には大型の底生海産藻類であり、顕微鏡で見るような極小さい藻類は除外している。一方、海中には植物によく似た根、茎、葉の区別がある「海草」と称するアマモの仲間が生育しており、根は砂泥の中に伸長して土中の栄養を吸収、葉からも光合成で栄養を吸収する。岩礁域に生育するものと砂泥域に生育するものがあるが、これらは分類学的に維管束植物で扱われているので、本分類群では除く。 日本の沿岸域には約1500種類の海藻類が生育しているが、海藻の地理的分布は沿岸を流れる海流の影響を強く受ける。寒流の流れる北海道ではコンブなど亜寒帯性海藻が、黒潮暖流の影響が強い南西諸島ではカサノリ、ガラガラ類などのいわゆる亜熱帯性海藻が生育している。これらの中間に位置する本州沿岸では暖流と寒流の両方の影響を受けてカジメやヒジキなどの温帯性海藻が生育している。本州の日本海側は太平洋側の海藻相に似ているが、干満の差が少なく冬場の潮位が年間を通して一番低いことなど、潮間帯の海藻植生は貧弱なのが特徴である。 本県沿岸域の海藻植生は対馬暖流の影響を強く受け、主に暖温帯性の海藻が生育し、一部に熱帯・亜熱帯性の海藻も分布する。海水の透明度が高い事もあって光合成活動に適しており、かなりの水深まで海藻類が豊富に繁茂している。特に、島根半島や隠岐諸島の外洋に面した岩礁部海底にはアラメ場と称する褐藻類のアラメやカジメが海藻の林を形成し、サザエ類の恰好の生息場とし□クロキヅタ 原色日本海藻図鑑 保育社て機能している。また2〜4mの長さのホンダワラ類がよく繁茂するガラモ場は、岩礁域を中心に比較的浅い場所にも多く見られる。冬から春にかけてはワカメがいたるところで生育している。隠岐諸島では梶村が深所(水深60m付近まで)のドレッジ調査を中心として詳細に海藻相を調査しており、クロシオメ(深海性コンブ)、ヒナカサノリなど十余種の新種が数多く確認されたほか、隠岐諸島はカジメの日本海側の分布北限となっている。また近年の生息調査ではパッチ状に分布していたアマモ場の中ではホソエガサ(環境省絶滅危惧Ⅰ類)も見つかっている。隠岐諸島は絶海の中にあり、日本海南部域においての海藻をはじめ海洋生物の分布上、最も興味ある区域といえる。 本県には、全国でも数力所しか生育が確認されていない貴重な海藻が認められる。海藻類の中では唯一、国の天然記念物に生育地が指定されているクロキヅタと隠岐島が基準標本産地(タイプ産地)であるクロシオメがある。クロキヅタは隠岐諸島の島前に位置する西ノ島の別府湾の近くに黒木御所跡(後醍醐天皇隠岐島に流刑された地)があり、この御所の前の海で珍しい海藻が採集され、その後この地名をとってクロキヅタと命名された。1922年3月3日、国の天然記念物にその生息地が指定されている。クロキヅタは隠岐諸島の中でも分布が限られており、広範な分布調査を行う必要があると思われるが、現時点で生育している周辺の海域に、クロキヅタの繁殖が拡大する傾向はないように思える。従って、現在生育している地域の保護が必要であると考える。クロシオメは隠岐諸島の島後・島前地区の水深20ー60mの深所に生息しているので、その生態系は謎に包まれている。【記号説明】□:カテゴリー区分変更なしの種(1種)↑:上位のカテゴリー区分への変更種(0種)↓:下位のカテゴリー区分への変更種(0種)○:新規掲載種(1種)◇:情報不足からの変更種(0種)◆:情報不足への変更種(0種)【掲載順の準拠文献等】(秋吉英雄)計2種計2種概説 海藻類

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